コロナ禍で思うこと

今日8月23日は二十四節気の1つ、処暑です。
夏の暑さが少しずつ落ち着いてくる頃と
言われていますが、まだまだ残暑厳しいですね。
体調管理に気を付けて過ごしましょう。

先日、静岡県も緊急事態宣言が出ました。
新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、
先の見えない不安を感じている方もいれば、
気にせずに過ごしている方もいらっしゃる
ようです。

「今まで感染しなかったし、大丈夫」。
「コロナはただの風邪だから気にしない」。
このような意見を聞いて、社会心理学の
「正常性バイアス」、「認知的不協和」を
思い出しました。

脳には心を穏やかに保とうとする働きがあり、
日常生活で問題が起こっても、それなりに
対応する事ができます。

ところが、大災害など、これまでに経験した
事がないような事態に遭遇した時、脳は対処
しきれなくなり、「そんな事はありえない」
という先入観や思い込みにとらわれてしまう
事を「正常性バイアス」と言います。

その結果、時として非常事態にも関わらず、
自分を守るための適切な行動を取る事ができ
なくなります。
東日本大震災や御嶽山噴火の時にも
この正常性バイアスが働き、被害が広がった
とも言われています。

私達が安全な状況の中で、当時の映像を見ると
「なぜ、こんな状況でのんびりしていたのか」
と思いがちですが、非常事態下、当事者の
方々の中で正常性バイアスが働いたと
考えれば合点がいきます。

「認知的不協和」とは、例えばタバコが好き
人がいたとします。「タバコは好き」だけれど、
「健康には良くない」。それでもタバコを
吸いたいし、量も減らしたくない…とすると
健康に良くない事を知りながら、喫煙を続ける
という状況は矛盾が生じます。

矛盾が生じた状態は不快感が伴います。
そこで「健康を害する程は吸っていない」、
「タバコを吸うと仕事がはかどるから
手放せない」等、考え(認知)を変更し、
「タバコを減らす必要はない」と言いきり、
これまで通りタバコを吸い続ける。
これが「認知的不協和」です。

イソップ童話の「酸っぱいぶどう」の話も
認知的不協和です。
手が届かず、食べる事ができないぶどうを見て

「あんなぶどう、酸っぱくて食べられない」

と立ち去るキツネの話です。
食べたくても、「取る事ができず、食べられ
ない」という辛い状況を解消する為、キツネは
「酸っぱくて食べられないぶどう」だから、
「取る必要はない」と考えを変えるわけです。

コロナ禍の中、これまで通りの生活を
過ごそうとする人の心理の中には、
正常性バイアスや認知的不協和が働いて
いる可能性があると思います。

だから正常性バイアスや認知的不協和は
いけない…というわけではありません。
日常生活の中で、ささいな事が起こるたびに
警戒し続ける事は疲れやストレスが溜まります。
また、考えを変える事で、楽になれたり、
生きやすくなったりする事もあるでしょう。
どちらも生きていく中で必要な心のシステム
ですが、状況によっては注意が必要です。

コロナ禍でも色々な考えや立場の人がいます。
不安を抱え、我慢し、それぞれに判断を
委ねられた生活は誰しもストレスが溜まります。
それでも、終息を願い、感染しない・させない
ようにありたいという気持ちは、多くの方に
共通していると思います。
自分を大切に、周りの人も大切に、なるべく
無理せず、できる事を大切にしていきたい
ですね。

当クリニックに来院する方へのお願いです。
以下にあてはまる方は、来院する前に電話で
ご連絡ください。

①発熱、倦怠感、咳、喉の痛みや違和感、
味覚や嗅覚の変化等の症状がある方

②PCR検査の結果待ち、陽性反応が出た方

③家族、職場等で感染者が出た方
濃厚接触者に該当する方

また、マスク着用、検温、手指の消毒への
ご協力を改めてお願いいたします。

最後にお知らせです。
8月26日(木)、27日(金)は休診です。
休診の前後は予約が混み合う傾向にあります。
ご注意ください。

心理士より

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