静岡マラソン2019を応援しました
例年より1週早く「静岡マラソン」が開催されました。
例年ほど気温が上がらず走りやすい気候だったと思われます。そうであっても、フルマラソンの42.195kmを走り抜くには肉体や環境だけで無く、強靱な精神力が必要でしょう。ランナーの皆様、そして応援し支えていた家族友人の皆様、本当にお疲れ様でした。
私のかつての先輩医師にマラソンが趣味であると公言していた精神科医がいましたが、今日のようなランナーの皆様を見ていると先輩の話を思い出します。
「スタートしてしばらくは気持ちが良い。やってやるぞという元気がある。しかし、10km、20kmと過ぎるうちに体が苦しくなってきて心が締め付けられてくる。どうしてこんな苦行をやっているのだ。なぜ私はこんなに苦しいのだ。この先に何か得られるものなどあるのか。やがて、私は誰だ?と記憶が混乱してきて、……その次のタイミングで急に世界が開ける。興奮惹起作用と強力な鎮痛作用を併せ持つ脳内ホルモン『ドーパミン』が走っている自分の脳を満たし、体が軽くなり走る状況が楽しくて楽しくて逆に止まらなくなる。突然の万能感で満たされるのだ。」
かつての僧侶が断食や修行によって自らを追い込み、「悟りの境地」を拓く。宗教的な概念になりますが現代人における「マラソン」も、レクリエーションを超えた精神修行なのかもしれません。それを精神医学は「ドーパミンの生理作用」と推測していますが。
クリニック開業を控え、「来年は走ってみないか」と誘われることが幾度かありました。
自分に甘い私には、到底無理です。 ランナーの皆様を心から尊敬します。
久能街道にはこの時期の名物「石垣イチゴ」が赤い粒をつけています。
値段はちょっと張りますが、応援する家族の皆様、特に自分に甘い方は、甘いイチゴを堪能しながら、ストイックなランナーを応援してみてはいかがでしょうか。
今年のイチゴも大変美味でした。